工作機械故障!
- 2020/04/12
- 10:30
おはようございます。今回はお仕事ネタです。
長くマニアックになるので興味のない方は遠慮なくスルーして下さいませw
勤務先で担当している工作機械は、比較的大型の機械です。
1984年製で今年36年目を迎えるレトロな機械です。
一応コンピューター制御で金属加工専用のプログラムを使う事で自動加工をしてくれます。
この機械を導入した当時は恐らく最新鋭機だったと推察されます。
値段も高価で、数千万円から億だったかも知れません。
先代社長である故・どんチャンキングの設備投資への英断が伺えます。
自宅のパソコンは5、6年も使えば寿命を迎えたりしますが、
この機械を制御するコンピューターは36年が経過してもまだ現役です。
WindowsでもLinux(リナックス)でもない、1984年製造なので開発を含めると
もっと前の仕様になり、前年の1983年に任天堂からファミリーコンピューター
が発売、1985年に初めて「Windows」が世に誕生している事から、どちらかと言えば
「パソコン」の前身である「マイコン」と言った方がより近いような気がします。
これだけ大型の機械で制御するコンピューターの性能はわずか8ビット。
名機ファミコンと同じですww
プログラムは「NC言語」と呼ばれる専用の動作コードと、縦・横・上下の動きをX・Y・Zで
表して、加工する長さや深さなどの数値をそれぞれ入力します。
「NC言語」のプログラムは、パソコンが出来るからと言って出来るものではありません。
逆に「NC言語」が出来るからと言ってパソコンが出来るわけでもありませんw
前置きが長話になってしまいましたが、ここからが本題です(;^ω^)
36年も使っているとガタがきても当然です。コンピューターもボケて来ます。
度々基盤が死亡して交換したり、数年前にはコンピューターがダウンしてユニットを丸ごと交換。
仕様がしょぼいので、そんなコストはかかっていませんでした。
※基盤交換作業のブログは、仕事カテゴリー’15年8月22日付「工作機械の修理」をご覧下さい。
でね、先日の朝に機械を起動させたら、過去に見た事も無いエラーが表示されてしまいました。
なんじゃこれ!?(;゜0゜)
当然ながら機械は起動しません。保守マニュアルにも載っていないエラーです。
さすがに対策が分からないので、写真に撮ったこの画面をメーカーのサービスに送ってご相談。
メーカーから、サブ基盤ではなくメイン基板が壊れた可能性を示唆。
基盤を送ってユーザー自身が交換をしてもいいが、相応に精通していないと二次被害が出る恐れがあると言われてビビッてしまったペイさんは、社長のドンちゃんの了承を得てサービスマンに交換作業をお願いしました。
翌朝一番からメーカーのサービスマンが来社して基盤交換作業とOS(オペレーションソフト)の再インストール、動作確認まで2時間ぐらいかけて行って直してくれました。
部品と作業料、消費税併せて約15万円。メイン基盤だけで10万円もします。
交換したメモリ基板。
懐かしのバブルメモリです。
「カード」と名が付いていますが、現在ではあまりにデカくてお世辞にもカードとは呼べませんw
性能は4メガビット。当時では最強クラスだと推察されます。
これだけ集積回路が密集していますが、いまなら半導体やRAM一個で何十万倍も賄えるはずですw
現在のメモリRAM。これ一枚でOKww
交換といってもバブルメモリ仕様のままであるわけがないので、見ていないですが現代に即した
メモリが使われています。新しくなった事で、機械の起動やプログラムの読み込み速度が
体感出来るほど早くなりました。亀は亀のままですけどww
おまけ
記憶・記録メディアの歴史がここにww
この機械に付属されているマクセル製8インチ(?)フロッピーディスクとバブルメモリの2ショット。
2本並べたボールペン「ジェットストリーム」との比較です。デカいね、これもww
フロッピーディスクは年月と進化と共に小型化しましたが、後に記録メディアがCD-ROMへ移行して
パソコンメーカーも使用を止めています。
このフロッピーも36年経っていますが、ペイさんの保管状態が良いのでまだ使えます(^_^)v